おしらせ Information
九州大学人社系協働研究コモンズ
Collaborative Platform in Research and Education
on Humanities and Social Sciences
研究コモンズの4つの指針はこちら
Event News!
12月11日 開催
第36弾 企画
知の形成史 #16
を開催します。
2025.11.20
▶ 末廣香織(九州大学人間環境学研究院准教授 都市・建築学部門)
「ものづくり」を通じて人と社会を関係させる建築の役割
九州大学BeCAT(環境をテーマにした建築研究教育センター)では、大学での研究成果を建築のプロジェクトという形で社会実装することに取り組んできました。シミュレーション技術を用いた建築のデザイン・施工、リサイクル素材の開発、ものづくりを通じたまちづくりイベントなどのプロジェクトを実施しています。熊本地震を契機に立ち上げられたKASEIプロジェクト(九州建築学生仮設住宅環境改善)では、現場での「ものづくり」と同時に「ことづくり」にも取り組んできました。建築という分野において、建ち上がってくるハードウエアが重要なことはもちろんですが、それと同様に建築するという作業には、人と社会を結びつける役割があります。プロジェクトの実例を題材にしながら、現代社会では見過ごされがちな建築の役割について議論したいと思います。
▶ 福田崚(九州大学経済学研究院准教授)
▶ 司会:蛭沼芽衣(九州大学人文科学研究院助教)
Event News!
11月7日 終了
第35弾 企画
学問の種を保存する―知的インフラとしての大学図書館
を開催しました。
2025.11.13
大学図書館には、専門的な研究書や一次資料など、学術的に価値ある資料が多数収蔵されています。そうした資料の中には、文化財としての意義を持つものも少なくありません。たとえば、九州大学に所蔵されている平安時代の訓点資料『金光明最勝王経』には、奈良写経という歴史的・文化的価値、仏典としての宗教的価値に加え、当時の日本語の読解法や言語使用を知る手がかりとなる、国語学的な価値も備わっています。このように、大学図書館が保有する資料は、文化財としても、文献資料としても、そして研究資源としても重要であるという、多面的な価値を持つものです。
こうした多様な価値を正しく理解し、適切に保存・管理・活用できるのは、専門的知識と体制を備えた大学図書館ならではといえるでしょう。それらの資料の価値は「今」だけで計れるものではありません。学術研究は常に進化しており、今は注目されていない資料が、将来の研究の鍵を握ることもあります。資料の保存は、過去から未来へと学術知の連続性を保つための基盤であり、大学図書館はその持続性を支えるインフラとして大きな役割を果たしています。
本企画では、大学図書館が担う「保存」と「研究支援」に注目し、学術的・社会的に果たすべき役割について改めて考えていきます。大学における資料保存の方針や、文化財的価値のある資料の継承、そして潜在的利用者に向けたアーカイブ戦略の重要性についても議論を深めていきます。本企画を通じて、大学図書館の多面的な意義と将来にわたる可能性を広く共有する機会となることを目指します。




