2022.04.07
2021.11 中央経済社
「幸せの形は人それぞれ」
幸福の話をするとき、必ずと言っていいほど話題に上がる考え方です。幸福はウェルビーイングとも呼ばれ、OECDや日本政府においても政策立案への活用が検討されています。
近年、大規模なアンケート調査が世界各国で行われるようになり、そのアンケート結果を「統計的に」分析することで、もちろんバラツキ(外れ値)はあるものの、大部分の人々に「共通の傾向」があることが実証的な学問領域(たとえば心理学、経済学)で見出されてきています。
著者らは2010年頃から10年以上にわたり、大規模な幸福度に関するアンケート調査を実施するチャンスに恵まれました。本書では著者らが行ったアンケート調査の分析結果を紹介しながら、幸福度に関する学問がこれまで幸せについて何を明らかにしてきたかを整理し、紹介していきます。
「将来の環境制約のもとでは日本は現在よりも消費を減らしていく必要があります。本書の特色の一つは『持続可能な消費』の観点から、少ない消費でも幸福度を高めていくための方策について提言を行っているところにあります。
特に、世界で最も幸福と言われるフィンランドと先進国で最低水準の幸福度とされる日本を比較することで、日本が将来幸福度を高めていくための検討材料を提示しています。
経済発展が先進国を中心に幸福度増大に結び付きにくい状況が問題視されている中、Beyond・GDPに向けた議論に幸福学の観点から一石を投じることができれば幸いです。」
(経済学研究院 藤井秀道)
第1章 ウェルビーイング(幸福)とは
第2章 日本の幸福度
第3章 お金と幸福度
第4章 人とのつながりと幸福度
第5章 働き方と幸福度
第6章 住みよさと幸福度
第7章 幸福度の地域別比較
第8章 国内47都道府県における人々の選好の比較
第9章 大都市における人々の選好の比較
第10章 東京23区における人々の選好の比較
● 書評: 東洋経済オンライン
● amazon
● 研究者情報
九州大学 経済学研究院 藤井 秀道(フジイ ヒデミチ)
E-mail: hidemichifujii☆econ.kyushu-u.ac.jp
(★を@に変更してください)