Collaborative Platform in Research and Education
on Humanities and Social Sciences

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This is a collaborative research committee that conducts interdisciplinary research that cannot be done within the discipline itself, while making use of the specialized fields of humanities, human environment, economics, and law.

研究コモンズの4つの指針はこちら

Event News!

09月22日 開催

第20弾 企画

『都市で故郷を編む』を囲んで―沖縄・シマの近現代と社会心理学的フィールドワーク

を開催します。

2023.08.10

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ここ数年、沖縄の本部半島先端にある備瀬というシマ(ムラ)をめぐって、三十余年のフィールドワークの成果が立て続けに刊行された(『都市で故郷を編む―沖縄・シマからの移動と回帰』,2023年,東京大学出版会;『根の場所をまもる―沖縄・備瀬ムラの神人たちと伝統行事の継承』,2020年,新曜社)。この対をなす著作で著者は、備瀬を基点として1920年代から現在までの約100年間を駆け抜ける。日本各地の紡績工場へ働きに出たシマの女性たちの体験をなぞり、労働と稼ぎの場を求めて国の外へと渡った人たちの跡を追う。大阪ではメッキ工場の経験を共にしてきた同郷人たちを訪ねて「独立自営」の模索を知り、那覇では支え合い・競い合いつつ生活を共にした女性たちの衣料品市場を歩く。さらに、都市で老年期を迎えた同郷人が語り合い、故郷での子どもの頃の暮らしに思いをはせる場に身を置く。そして、大きく変容する故郷・備瀬において手入れされ続ける共用地(コモンズ)、神々とつながる根の場所での伝統行事の継承の場面に立ち会う。こうして著者は、実際にはもう見ることのできなくなった風景やかつての出来事を見ようとして、ご縁のできた一人ひとりを訪ね歩き、その人生に寄り添い、語りに耳を傾け続けてきた。この度、編まれたふたつの織物は、近代化の過程そのものを辿り、社会によって移動と稼ぎの可能性に方向付けられた人びとが、共同体を何度も編みなおしながら生きる様を描き出す。それは、社会心理学における「フィールドワークの知」の大きな稔りになった。

 本企画では、著者である石井宏典氏と共にこれら2冊の本を囲む場を設けたい。そしてその場での語り合いを通じ、近現代という歴史的限界のもとで生きている私たちの場所を確かめる試みをしてみたい。

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Event News!

10月04日 開催

第21弾 企画

知の形成史 #8

を開催します。

2023.08.25

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▶ 阿部貴晃(九州大学経済学研究院講師 経済工学部門)

ゲーム理論のレンズで見れば

 小学校から高校まで、お昼休みや放課後に掃除の時間があった方も多いのではないでしょうか。クラスの皆でするはずの掃除ですが、一人二人はサボって掃除をしない人がいるものです。そのような、ついサボってしまう人に掃除をしてもらえるような仕組みはあるのでしょうか。この「掃除をサボる人がいる問題」をゲーム理論のレンズを通して見ると、不思議なことに、警察・国防・ごみ収集といった公的サービス供給との関連性が見えてきます。身の回りの出来事を「ゲーム」として観察していくことの面白さを、実験結果等を交えながらご紹介したいと思います。


▶ 池田浩 (九州大学人間環境学研究院 准教授)

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