2025.01.10
2019.04 法政大学出版局
本書は、ベルギーの知識人ダーヴィッド・ヴァン・レイブルックが著したTegen Verkiezingenをオランダ語から日本語に翻訳したものです。ヴァン・レイブルックは、現代民主主義の苦境が、民主主義を選挙型代議制民主主義に還元する選挙原理主義に起因すると診断します。そして、西洋における抽選制の政治的伝統を掘り起こすとともに、現代における抽選制の理論と実践を概観します。そして、そうした幅広い視野のうえに、議員を抽選で選出する抽選制議会の構想を提示するのです。本書はオランダ語から各国語に翻訳されていますが、日本語への翻訳は法学研究院の岡﨑晴輝教授とルーヴェン・カトリック大学(当時)のディミトリ・ヴァンオーヴェルベーク教授が手がけました。日本でも反響は大きく、数多くの新聞等で紹介されました。
作家の作品であり、ワクワクする読み物になっています。九州大学中央図書館に6冊配架されていますので、ぜひ手に取ってみてください。また、本書をお読みになり、内容に関心を持った方は、ぜひ法学部の比較政治学1(後期2単位)を受講してみてください。
(法学研究院 岡﨑晴輝)
第1章 症状
第一節 希求と疑念──民主主義の逆説 第二節 正統性の危機──支持が低下している 第三節 効率性の危機──活力が低下している
第2章 診断
第一節 責任は政治家にある──ポピュリズムの診断 第二節 責任は民主主義にある──テクノクラシーの診断 第三節 責任は代議制民主主義にある──直接民主主義の診断 第四節 責任は選挙型代議制民主主義にある──新しい診断
第3章 病因
第一節 民主主義的手続き──抽選制(古代とルネサンス) 第二節 貴族主義的手続き──選挙制(一八世紀) 第三節 選挙制の民主主義化──擬制の成立(一九世紀―二〇世紀)
第4章 治療
第一節 抽選制の復活──熟議民主主義(二〇世紀末) 第二節 民主主義の刷新の実践──各国の探究(二〇〇四─二〇一三年) 第三節 民主主義の刷新の将来──抽選制議会 第四節 抽選制に基づいた民主主義の青写真 第五節 二重代議制の暫定的提案
結論
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● 個人ホームページ:伊都通信
九州大学 法学研究院 岡﨑 晴輝(オカザキ セイキ)
E-mail: okazaki.seiki.882★m.kyushu-u.ac.jp
(★を@に変更してください)